逓信省型式試験合格受信機
Radio set Passed Examination by The Ministry of Posts and Telecommunications

第90号 ナナオラ 4M-20型 国民型2号受信機 七欧無線電機(株) (1948.7.5合格)
      ナナオラ 4M-22型 国民型2号受信機 七欧無線電機(株) (1948.12.20型番変更、1949年まで生産)

No.90 Nanaola Model 4M-20 Type Kokumin-gata No.2 Nanao Radio Co., Ltd.  Passed at 05/07/1948
     Nanaola Model 4M-22 Type Kokumin-gata No.2 Nanao Radio Co., Ltd.  Renewed at 20/12/1948(Continued until 1949)

4M-20

      

      

      取説より

TUBES: 6D6-6C6-6ZP1-12F, TRF, Magnetic Speaker (Paper Framed)

戦前からの大手メーカー、七欧無線電機の国民型受信機。国民型としてはごく標準的なセットだが、つくりは非常に悪く、貧弱である。ダイヤルやスピーカーグリルのデザインに、なんとかユニークな意匠としようとした工夫の跡が見られる。
この機種には不審な点がある。実物も型式試験の資料、、取説に掲載の回路図も出力管は6Z-P1となっているが、底蓋に貼られている公定価格のラベルは「国民2号受信機C」となっている。C型は、マグネチックでありながら出力管が42というモデルで、規格を制定した当初、6Z-P1の供給が十分でなかったために設けられたバリエーションと考えられる。
しかし、2号A型とC型の公定価格の差はわずか34円で、真空管の差額にもならず、この価格で実現できなかったと思われる。この4M-20型が型式試験を受けた1948年にはすでに国民型受信機規格からC型は廃止されている。
真空管の供給不足で球なしで出荷されることも多かった時代、少しでも出荷価格を高くするテクニックではなかっただろうか。

1948年12月30日に4M-22型にモデルチェンジされた結果、平凡で作りやすいデザインに変更された。

(Collection No.11A073/11A332)

4M-22

     

     

TUBES: 6D6-6C6-6ZP1-12F, TRF, Magnetic Speaker (Paper Framed)

戦前からの大手メーカー、七欧無線電機の国民型受信機。1948年7月5日に国民型2号受信機4M-20型で試験に合格したが、1948年12月30日にこの4M-22型にモデルチェンジされた。国民型としてはごく標準的なセットだが、つくりは非常に悪く、貧弱である。左側面に追加されたスイッチは電源電圧を(85Vと100V)切り替えるために後から追加されたもの。昼、夜の表示が当時の電圧事情をあらわしていておもしろい。「夜」が85Vである。

(Collection No.11497)

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