逓信省型式試験合格受信機写真

第124号 NEC RA-111A型 6球オールウェーブスーパー 日本電気(株) (1948)

  
  
  初期型の外観はRA-110型と同じ
  
    製造番号 No.10446                     裏蓋の配置図はRA-110のままとなっている 

TUBES: 6WC5 76 6D6 6B7 42 80, BC: 550-1500kc, SW: 6-18Mc, Electro-dynamic Speaker (NOBLE Model FD-65, 6.5")

日本電気が標準型オールウェーブとして発売した6球スーパー。この機種は当初RA-110型(型式試験合格番号17番、1948年6月1日合格)として発売された。「無線と実験」誌のの記事によれば、RA-110型の発表直後には6WC5の採用が決まっており、配線の変更だけで6WC5を使用できるようになっていた。Ut-6L7Gを6WC5に変更した機種が、このRA-111A型である。6WC5を使用すれば76による局発を使用しなくても2バンドスーパーにできるが、変更を最小限にとどめるためか、珍しい構成となってる。型番についてだが、RA-110も、発表時の記事でRA-110Aとなっている。NECの他の機種でも、サフィックスのない機種は確認されていない。"A"なしのRA-111が存在したかどうかは不明である。

なお、6B7に付けられている丸型のシールドケースは後で追加されたもの。また、電源トランスが交換されている他、本来付けられていたはずのNEC製真空管は6B7だけである。修理を繰り返して長く使われたようである。

(所蔵No.11731)

RA-110のキャビネットを流用したこのタイプは暫定的な初期型だったらしく、すぐに卓上電蓄RG-110Aと共通するデザインのキャビネットに変更された。

  

  
      製造番号 No.10906

後の製造番号を持つ後期型。スピーカーグリルのデザインが初期型と異なる。このセットでは、スピーカがオンキョーのPD-65型が使われ、検波管が改造されて6ZDH3となっている。
シャーシに大きな変更はない。

掲載誌:無線と実験1948.9

(所蔵No.11560)

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